2011年5月20日金曜日

大森ロッヂ見学

5月11日、13日の2日間、大森ロッヂを見学させていただきました。
大森ロッヂは築40年の長屋をリノベーションした物件です。品川駅から京急線で15分程揺られると最寄りの大森町駅に到着し、駅から少し歩いた路地に佇んでいました。設計者で住人でもあるアトリエイーゼロサンの天野さんに案内して頂きました。

入り口の門をくぐるとまず真っ赤なポストがあって、とてもかわいらしかったです。基本的に外観は黒で統一されていて、シンプルにまとまって見えました。
印象としては、価値を感じるようなモノ・コトは極力残しつつ、うまくバランスをとりながら全体を包括しているようでした。例えば大森ロッヂの外構は大和塀と言う塀で囲ってあって、境界線と目隠しになっています。入り口の門には扉がないのですが、路地には砂利が敷き詰めてあり、それが防犯の役割を果たしています。また各戸の共用部と庭のゆるやかな境界線にもなっています。オートロック・2重ドア・監視カメラなどといったいわゆる現代的装置ではなく、仕組みやコミュニティの力で解決しています。ほかにも物置を改造した東屋や、あえて手を加えていない空き地など、一方的に計画・デザインしすぎずに住人が主体的に暮らして関わっていくことでカタチづくられるコミュニティを感じました。夏祭りや餅つき大会をやったりと、楽しいイベントがいつも盛りだくさんだそうです。

そのあとは天野さんが住まわれている2階建ての棟の方へ。ここはアトリエスペース+中庭+長屋といった町家のような奥に長いつくりになっています。天野さんはここをSOHO(住居兼オフィス)として住まわれています。意外だったのはアトリエ付きの物件なのでアーティストやデザイナーなど創作活動をしている人が住むかと思っていたら、そうではなく一般の職業の方が多かったとお聞きしました。またアトリエ部分は基本的に改造OKで、住んだ人が思い思いに自分のカタチにあわせて暮らしています。今後、入居者が入れ替わったりした時にそれらがどう引き継がれていくのかが楽しみです。

ということでたっぷりと見学させて頂きました。
今回実際のリノベーション事例をお話を伺いながら見学させていただいたことで、形だけでなく考え方や住人としての意見など、大変多くの事を参考にさせて頂きました。

さて次回は、第2回ワークショップの様子をアップします!

文責:川瀬英嗣
(写真:連勇太朗)

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